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点列をCatmull Rom曲線を通してBezier曲線列に変換する

前回,レイトレーシングでBezier曲線を描画する方法を紹介しました.しかし,Bezier曲線そのままでは意図した図形を描画することは大変です.今回は,特定の点列を通るCatmull Rom曲線という曲線をBezier曲線に変換する方法を紹介します.
当初,B-spline曲線からBezier曲線に変換する,Boehm's algorithmを使用しようかと考えたのですが,設定等が複雑なことと,点列を必ず通る精密な図形を描きたかったため,点列を必ず通るという特性を持つ.Catmull Rom曲線を使うことにしました.

scheme(Gauche)による実装はこちら
scheme-raytrace/points.scm at master · soma-arc/scheme-raytrace · GitHub
Processingによる実装も公開している人がいました.
Mike's Processing code snippet repository
この方法と,前回紹介したBezier曲線をレイトレする手法を用いて描いた曲線がこちらです.
f:id:soma_arc:20160526164840p:plain

各種曲線の概要はこのサイトが詳しいです.
デジタル・フロンティア-Digital Frontier | DF TALK | スプライン曲線の話
また,変換を理解するにあたって,このサイトが非常に勉強になりました.
t-pot 『3次曲線』
これに従い,順に曲線を見ていくことで,自然と変換の方法がわかります.

Ferguson/Coons曲線

f:id:soma_arc:20160604193159j:plain
基本となる曲線です.三次曲線を表すため,始点と終点,初速度,最終速度の4種のパラメータを用います.これを用いた曲線の計算式はt-potにすべて載っていますが,ここではあまり重要でないので,記述しません.Bezier曲線もCatmull Rom曲線も,この曲線を元に速度の求め方を考えていきます.

Bezier曲線

f:id:soma_arc:20160604193158j:plain
Ferguson/Coons曲線において,速度を直接決めるのは割と面倒ですので,指定された制御点から,速度を求めてやるようにします.これが,三次のBezier曲線です.{P_0,P_3}を始点,終点としたとき,速度{v_0, v_1}を以下のようにして求めます.
{v_0 = 3(P_1 - P_0)}
{v_1 = 3(P_3 - P_2)}
3という係数がBezier曲線の次数ですね.速度が求められれば,Ferguson/Coons曲線の式が使えます.

Catmull Rom曲線

f:id:soma_arc:20160604193201j:plain
Catmull Rom曲線では,点列すべてを通る曲線を定めることができます.点列のセグメントの前後合わせて4つの点を合わせてパラメータを決めます.ある点における速度を前後の移動量を足し合わせたものに{tightness}というパラメータをかけたものとします.この値は通常,0.5が使われるため,基本的には,移動量の平均値をとることになります.
{v_0 = tightness( (P_1 - P_0)+(P_2 - P_1)) = tightness(P_2 - P_0)}
{v_1 = tightness(P_3 - P_1)}
ここで注意が必要なのが,点列における始点,終点です.始点,終点では速度を求めるために必要な点がないため,違う速度を使ってあげる必要があります.t-potでは,最初と最後の速度の平均速度を使うとしています.僕は面倒だったので,実装する際には,あらかじめ点を挿入しておいてある,と仮定して無視しました.
{tightness}パラメータに関しては,このpdfで知りました.
https://www.cs.cmu.edu/~462/projects/assn2/assn2/catmullRom.pdf

点列からBezier曲線の制御点を求める

さて,Catmull Rom曲線と同じ挙動をとるBezier曲線の制御点を求めてみましょう.Bezier曲線とCarmull Rom曲線の{v_0, v_1}は等しくなることを利用して,方程式を解きます.ベジェ曲線の制御点を{BP_0, BP_1}とすると点列の四点,{P_0, P_1, P_2, P_3}を用いて以下のように求まります.
{BP_0 = \frac{tightness}{3}(P_2 - P_0) + P_1}
{BP_1 = \frac{tightness}{3}(P_1 - P_3) + P_2}
先に述べたように,{tightness}は普通0.5です.これで,点列のあるセグメントに関するBezier曲線の制御点を求めることができました.これを点列全体に関して行えば,Bezier曲線列を得ることができます.

おわり

点列をCatmull Rom曲線を用いてBezier曲線に変換する方法を紹介しました.この方法と前回の記事の内容をあわせることで,点列で表現される図形をレイトレで描画することができます.しかし,点列が多い図形だと曲線の数が増えて,どうしても時間がかかってしまいます.BVHなどを用いて効率よくレイとの交差計算を行わなければ,とても使えたものではないでしょう.
Bezier曲線といえば,内分点をとっていく導出しか知りませんでしたが,今回見たような意味づけは知らなかったので勉強になりました.